コンビニ経営実態調査 > コンビニ各社の今後の取組み

高齢化社会に向けてのコンビニ各社の取り組み

社会環境の変化に、コンビニ各社は戦略的に対応しています。
一例を挙げると、各コンビニブランドは高齢者へのサービス取り組みを積極的に強化しています。
セブンイレブンはセイノーホールディングスと共に宅配事業に取り組み、御用聞きから商品の配送、高齢者の見守りサービスの提供まで行っています。
ローソンによる高齢者向けコンビニ経営の特徴は、介護事業への進出です。介護事業者とフランチャイズ契約を結んでおり、「ケアローソン」では高齢者向けの食事や下着などの販売をコンビニ経営に導入しています。
またファミリーマートは糖尿病患者向けの冷凍食品を販売する店舗を増やすなど、新しい顧客層の開拓を模索しています。
団地内でのコンビニ経営の拡大も、将来へ向けての販売戦略の1つです。

ファミリーマートとサークルKサンクスの統合

コンビニ各社それぞれ、将来へ向けての戦略的取り組みを推し進めています。
ファミリーマートは2016年にサークルKサンクスと経営統合し、戦略的なブランド転換を行っています。
ファミリーマートの看板商品であるファミチキが登場するなどサークルKサンクスの商品陳列は徐々に変化しており、2018年8月末までにコンビニ経営におけるブランド転換は完了する予定です。
ファミリーマートは商品開発にも力を入れており、電子レンジで加熱するチルドラーメンなどが人気です。
またファミリーマートは、お客様の栄養と健康に配慮したコンビニ経営への取り組みも行っています。
栄養ケア・ステーションを設置したコンビニを展開しており、ステーションがある店舗では栄養相談やメディカルフーズの購入が可能です。

ローソンの目指す店舗形態

ローソンはスーパーマーケットの代替となるようなコンビニ経営を目指した取り組みを行っています。
これは高齢者や働く女性の増加に戦略的に対応するためです。
販売戦略における取り組みの成果として、既存店では冷凍食品や日配食品、デリカの売上げが伸びています。
お客様の需要に応えるため、ローソンは商品陳列も工夫しています。
冷凍ケースの増設や冷凍平台の導入、什器の高層化などが特徴です。
またローソンではコンビニ経営を効率化するため、2017年8月から業務用タブレット端末を、11月から自動釣銭機と組み合わせた新型POSレジを順次導入します。
コンビニでの業務内容を提示するタブレット端末はマニュアルとしての活用も可能で、不慣れな新人スタッフのコンビニ業務を助けてくれます。
新型POSはレジ操作を簡素化し、自動釣銭機は金銭管理を確かなものにします。

セブンイレブンのレイアウト刷新

コンビニ各社の将来へ向けての取り組みの中でも注目されているのが、セブンイレブンが実施するレイアウトの刷新です。
セブンイレブンは創業以来初めてとなる店舗レイアウト全面刷新を戦略的目標として打ち出しており、2017年度中に新店で1000店、既存店で800店を新レイアウトで展開します。
2021年までに既存コンビニのうち1万店舗が新レイアウトになるため、全国にあるセブンイレブンの約半分の店舗が新レイアウトに切り替わる予定です。
新レイアウトのコンビニでは雑誌のスペースが縮小し、ファーストフードと冷凍食品のコーナーが拡大します。
またレジカウンターは奥に移動し、コーヒーやおでん販売のスペースを拡充するため3割ほど長くなります。
レイアウトの刷新は、コンビニ経営で重要性が高まっている食品類の販売を強化する戦略的取り組みの一環です。

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