コンビニ経営実態調査 > コンビニの未来像

コンビニ経営における未来予測の前提条件

現在のコンビニ業界は発展の途上にあり、将来へ向けて大きく変化していくことが予測されます。
一世代ほど昔に遡ると、街角には八百屋や酒屋などの個人商店が存在していました。
現在それらの店の多くはフランチャイズ系小売店舗となっています。
30年前にその後の小売業界の変容を予測できた方は居なかったでしょう。
変化のスピードが更に早くなっている現在では未来像の予測は更に難しいです。
ここで小売業界の未来像に影響を与える前提条件を考えてみます。
まず少子高齢化などのマクロ環境の変化です。
次に若年層の車離れといった社会環境の変化です。
更にネットの普及によるICT環境の変化や科学技術の発達があります。
消費者のリテラシーは向上してきており、クラウドなどの活用で小規模な業者も大企業に負けない情報管理やデータ分析が可能になってきています。

ロボット技術の採用と相性の良いコンビニ経営

コンビニ未来像の予測として良く取りあげられるのが、業務の機械化または全自動化です。
実はフランチャイズ小売店舗経営とロボット技術は相性が良いと考えられています。
まず巨大なチェーン網を保有しているため、提供するサービスや店舗環境が規格化されています。
そのため予測範囲内の未来像においてロボット技術適用の際のコストを引き下げやすいのです。
また店員が行う業務の多くは自動化しやすい労働集約型です。
自動化の一例として、ローソンでは購買物の支払額を自動で計算してくれる上に商品の袋詰めもしてくれる「レジロボ」をパナソニックと共同で開発しました。
2017年下半期から特定の店舗で試験的に運用し、2018年度から本格的に導入する予定です。
雑誌などの一部の商品を除き、3千を超える店舗内の商品ほぼ全てに対応します。

Future Service Design Award2016

コンビニ業務の自動化では、人手不足の解消のみならず新しいサービスを生み出す未来像が期待されています。
計測自動制御学会システムインテグレーション部門(公社)が主催し、セブン&アイ・ホールディングスが協賛したFuture Service Design Award2016では、「近未来のコンビニ像を創造する」をテーマに、ロボット技術の導入により2020年に実現しうるであろう新たなサービスや店舗デザインを募集しました。
受賞案件には、過疎地域における商品販売を可能にする「無人移動販売コンビニロボット」や自動陳列・自動運転技術などを用いて都市内の店舗をオムニチャンネル化する「ハイパーコンビニエンスストア」といった予測未来像が含まれています。

AIとロボット技術を用いたコンビニ運営

ロボットによるコンビニ運営の未来像は既に夢物語では無く、予測範囲内となっています。
産業技術総合研究所はロボットと人工知能(AI)を用いた小売店舗向けのシステムを開発しています。
人工知能が購買履歴を検索して売れ筋商品を把握し、商品の発注や管理を行うのです。
更に商品の補充や陳列棚の整理などの作業はロボットが担当します。
2018年までに産総技研の人工知能研究センターに必要な設備を整えた模擬店舗を用意して、実証実験を行う予定です。
業界の人手不足が解消されると予測されており、2020年の東京五輪で披露することを目標としています。
コンビニ業界は現在も進化を続けています。
既に宅配事業や介護事業に進出しているブランドもあり、クリニック関連と提携したり、防災拠点として活用するアイデアも未来像として提案されています。

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