コンビニ業界におけるPB商品の重要性

コンビニ業界が現在、特に力を入れているのが、PB商品の開発と販売です。
PBとはプライベートブランドの略称で、各社ともPBの割合を増やそうと努力しています。
現在と比較して、かつてのコンビニ店舗では各メーカーが製造した商品を販売することのみで事足れりとしてきました。
しかし、コンビニとメーカーによるPBの共同開発は、双方に大きなメリットをもたらしました。
メーカー側は製造ラインを効率的に運用することが可能となり、販売側は広告宣伝費を節約することで従来の商品と比較して安価な商品をお客様に提供することが出来るようになったのです。
お客様の意見を反映して開発されるPBには人気商品も多く、現在では業界を活性化させるために無くてはならない存在となっています。

ローソンが力を入れているPB商品

身近なお店であるコンビニエンスストアが提供するPB商品には消費者の注目が集まっており、PBの売れ行きが業績を大きく左右するまでになっています。
ここでコンビニ各社のPB商品を比較してみます。
まずローソンのPBをご紹介します。ローソンのプライベートブランドは「ローソンセレクト」と呼ばれています。
惣菜から日用品まで多品目のラインナップを揃えており、コンセプトは「利便性」「品質」「規格」「美味しい+健康」の4つです。
代表的な商品として中嶋農法の野菜を料理したサラダやチルド飲料と呼ばれるグリーンスムージーなどがあります。
他にも健康にこだわったブラン(穀物の外皮)パンシリーズや健康菓子シリーズが売り場面積を大きく占めており、ローソンが他社と比較しても健康食品関連のPB開発に力を入れていることが分かります。

健康路線のPB商品を競うコンビニ各社

健康路線のPB商品開発を推し進めるローソンの姿勢は、コンビニ各社を刺激しました。
各社の代表的な商品を比較してみます。ファミリーマートでは管理栄養士の監修を経た低糖質のメニューが提供されるようになりました。
ダイエットにも効果的なPBとして好評を博しています。
ミニストップのPB商品として有名なのが、創業時からのロングセラーであるフローズンヨーグルトです。
一般のヨーグルト製品と比較してもヨーグルト本来の味が楽しめると評判で、リピーターの多い商品となっています。
スリーエフは業界の中でもいち早くPBの開発を行ってきました。
現在は「エフ スタイル」というブランド名に統一しており、合成着色料や保存料ゼロの厳選された素材を使用した食品など、「安心」「美味しい」「リーズナブル」なPBを提供しています。

品揃えが充実しているセブンイレブンのPB商品

コンビニ業界におけるPB商品の販売戦略を現在リードしているのがセブンイレブンで、他社と比較してもラインナップの豊富さが目立っています。
セブンイレブンのPBは開始当初の2007年度では50品目ほどでしたが、2016年度見通しで3650品目を超えるまでになりました。
セブンイレブンのPB「セブンプレミアム」のラインナップは幅広く、他社では出会えないような商品を見付ける楽しさもあります。
セブンイレブンがPBを手掛けた時期は他社と比較するとやや遅いのですが、その後の急速な展開でセブンイレブンの主力商品になりました。
高度な開発技術を持つメーカーと共同で商品の開発を行っており、PB商品に製造元が明記されているのも特徴の1つです。
またお客様に高品質な商品を提供することを目的としたブランド「セブンプレミアムゴールド」も販売されています。

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